その他の遺言証書ついて

 通常の遺言証書作成のできない特殊な事情のある場合について民法は以下の特別な方式の遺言を規定しています。 いずれも滅多にある状況ではありませんが、知っていて損はないので一応列挙しておきます。

死亡の危急に迫った者の遺言

病気やその他の理由により死の危険の迫った人が遺言をする場合で,遺言者が自分で遺言を書くことができない状況 があり得ます。その場合には証人3人以上の立ち合いの上で特別な方式で遺言を完成させることができます。

まず、3人以上に証人として立ち会ってもらいます。そのうちの一人に遺言の趣旨を述べて書いてもらい、自らの遺言とすることができます。 この場合に、筆記した人は遺言者と他の二人の証人に読み聞かせるか閲覧し、内容を確認してもらったうえで証人に署名押印し てもらうことにより遺言を完成させることができます。

伝染病隔離者の遺言

伝染病で隔離されているため、公正証書遺言や自筆証書遺言が作成できない人の場合にも特別な遺言の形式が定められています。

この場合には警察官一人、および証人一人以上の立ち合いをもって遺言書を作成できる、とされています。

在船者の遺言

3つ目の特別な遺言の形式は船舶に乗っている人の遺言です。

船に乗っているときに死の危険に遭い遺言の作成を必要とする場合には船長または事務員一人、そして二人以上の証人の立ち合い をもって遺言書が作成できる、とされています。

船舶遭難者の遺言

船舶が遭難した場合には船長や事務員を同席させられない場合もあるので、この場合には証人二人以上の立ち合いで作成可能とされています。 ただしこの場合にはこれで完成ではありません。証人が「これこれこういう事情でこの遺言を作成した」とその趣旨を筆記して署名押印します。 さらに証人の一人かまたは利害関係人が遅滞なく家庭裁判所に確認の請求をすることが求められています。