― 利用者層・報酬・運営難易度から比較解説 ―

はじめに
2025年10月から新たに施行された「就労選択支援」。
既存の「就労継続支援B型」との違いが分かりにくく、
「どちらのサービスを立ち上げるべきか迷っている」という相談が非常に増えています。
本記事では、
両者の目的・対象者・運営方法・報酬体系を比較しながら、
事業としての立ち上げ判断のポイントを整理します。
1.制度の目的と対象者の違い
| 項目 | 就労選択支援 | 就労継続支援B型 |
|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | 一般就労への移行を目指すための「前段階的支援」 | 生産活動などを通じて働く機会を提供 |
| 対象者 | 就労意欲はあるが、一般就労・B型のどちらが適しているか判断が難しい人 | 一般企業での就労が困難で、継続的な支援を必要とする人 |
| 利用期間 | 原則1年以内(必要に応じて延長可) | 長期利用が可能 |
| 支援内容 | 働く力の評価・訓練・職場体験・就労先選択支援 | 軽作業や内職などの生産活動、日中活動支援 |
🔹 まとめ
就労選択支援は「就労移行支援に行くべきか、B型が合っているか」を見極める“判断の場”です。
利用者像が少し異なり、目的も明確に分かれています。
2.事業運営の特徴と必要人員
| 項目 | 就労選択支援 | 就労継続支援B型 |
|---|---|---|
| 必要資格者 | サービス管理責任者、生活支援員、職業指導員 | サービス管理責任者、生活支援員、職業指導員 |
| 訓練内容 | 評価・職業訓練・職場体験 | 軽作業・生産活動・余暇活動 |
| 運営難易度 | 評価・記録・計画作成が多く、制度理解が必須 | 作業プログラム中心で、比較的安定運営が可能 |
| 地域ニーズ | 新制度のため、今後拡大見込み | 既に事業所数が多く、地域差が大きい |
🔹 運営上のポイント
就労選択支援は、制度上の要件が新しく、計画作成やモニタリングの手間が増える一方、
「専門性の高い支援」として加算や差別化の余地があります。
3.報酬単価と採算性の比較(概算)
※以下は令和7年度報酬改定時点の想定例です。実際の単価は自治体公表資料をご確認ください。
| 項目 | 就労選択支援 | 就労継続支援B型 |
|---|---|---|
| 基本報酬(1日あたり) | 約700〜900単位前後 | 約750〜900単位前後 |
| 加算の種類 | 利用者支援加算、職場体験加算、事業所評価加算 など | 生産活動実績加算、利用者支援加算、事業所評価加算 など |
| 利用者数の安定性 | 利用期間が短いため変動が大きい | 長期利用が多く安定しやすい |
🔹 採算面の考え方
- B型は「安定運営型」:長期利用者が多く、継続収益が見込める。
- 就労選択支援は「成長型」:利用者の入れ替わりはあるが、支援内容により評価が高まりやすい。
4.開業時に考えるべき判断ポイント
| 観点 | 適している事業者像 |
|---|---|
| 支援経験 | 福祉・就労支援経験者なら就労選択支援も可 |
| 収益安定性を重視 | B型が向く |
| 社会的インパクトを重視 | 就労選択支援が向く |
| 地域の事業所バランス | B型が多い地域なら選択支援で差別化 |
例えば、地域に既にB型が多く、就労移行支援が少ない場合、
「就労選択支援」は中間的ニーズを拾える新しいポジションになります。
5.実務的な組み合わせ戦略
実は、就労選択支援は「他のサービスとの併設」がしやすい制度です。
- B型+就労選択支援
- 自立訓練(生活訓練)+就労選択支援
このように併設することで、利用者のステップアップ支援を一体的に行えるメリットがあります。
将来的には「入口としての就労選択支援」→「継続支援B型」への移行が自然な流れです。
まとめ
「就労選択支援」と「就労継続支援B型」は、どちらも就労支援を担う重要な制度ですが、
目的・利用者層・運営スタイルが明確に異なります。
開業を検討する際は、
- 地域のニーズ(利用希望者の層)
- 自社の強み(支援経験・人材・資金)
- 事業の方向性(安定か挑戦か)
を踏まえて選択すると、長期的な運営基盤を築きやすくなります。
無料相談のご案内
行政書士・社会福祉士として、
「就労選択支援」や「B型事業所」など、障がい福祉サービスの開業をサポートしています。
- 自社に合うサービス種別の選び方が分からない
- 申請要件や設備基準を確認したい
- 開業に必要な資金計画を立てたい
といったお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
👉 無料相談はこちら(行政書士篠田事務所)