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■ はじめに
就労選択支援事業を安定的に運営していくためには、「制度上の基準を満たす」ことに加え、人材の採用・育成・定着が何よりも重要です。
新設されたこの制度では、職員が多様なニーズに対応できる柔軟性と、就労支援・福祉支援の双方に精通していることが求められます。
本記事では、採用・育成・定着の3つの視点から、人材戦略の実務的なポイントを解説します。

■ 1. 人員配置基準の理解から始める
まずは制度上の配置要件を確認しておきましょう。
| 区分 | 要件 |
|---|---|
| 管理者 | 事業全体の統括責任者。兼務可能。福祉サービス経験者が望ましい。 |
| サービス管理責任者 | 利用者支援計画の作成・進行管理。国家資格者+実務経験要件あり。 |
| 支援員 | 利用者の就労支援・生活支援を担当。一定の経験または研修修了者が対象。 |
特に**サービス管理責任者(サビ管)**の確保は開業準備で最も大きな課題です。
人材紹介会社に頼るだけでなく、既存の福祉事業所からの転職希望者や、地域福祉ネットワークを活用するのも効果的です。
■ 2. 採用活動のコツ:理念と柔軟な勤務形態を明確に
就労選択支援は「福祉と就労の中間領域」に位置するため、従来型の福祉人材だけでなく、企業経験者やキャリアコンサルタント出身者にも関心を持たれやすい分野です。
採用時には次の点を明確に伝えると良いでしょう。
- 事業の理念・目的(「働くことを諦めない支援」など)
- 柔軟な勤務体系の導入(短時間勤務・兼務制度など)
- 資格取得支援制度(サービス管理責任者研修、相談支援従事者研修 など)
理念に共感した人材は、給与条件以上に強い定着力を持ちます。
■ 3. 研修と育成:制度と現場の橋渡しを
制度施行直後の就労選択支援では、職員の経験が浅いことも多いため、内部研修が重要です。
▼研修テーマ例
- 「就労選択支援の対象者と支援プロセス」
- 「利用者のアセスメントと個別支援計画の作成方法」
- 「企業・就労先との連携スキル」
- 「権利擁護と支援倫理」
研修は月1回など定期的に実施し、成功事例の共有やロールプレイを取り入れることで、チーム全体の支援力を底上げできます。
■ 4. 定着率を高める運営の工夫
採用した職員が長く働ける環境を整えることが、事業の安定運営につながります。
▼定着を促す3つの工夫
- 定期面談とフィードバックの仕組み化
→ 管理者が月1回の1on1で現場の悩みを吸い上げる。 - 役割分担の明確化
→ サビ管・支援員・管理者の業務を「文書化」して混乱を防ぐ。 - 感謝・称賛文化の醸成
→ 支援成功事例をチーム内で共有し、成果を可視化。
■ 5. 行政書士篠田事務所からのサポート
人員配置基準の確認や、運営体制の整備は指定申請時の審査ポイントでもあります。
行政書士篠田事務所では、
- 配置基準の確認と採用計画書の作成支援
- 職員体制に関する申請書類の作成代行
- サービス管理責任者の任用要件チェック
など、事業開始前から一貫してサポートしています。
■ まとめ
人材戦略は「採用→育成→定着」を一体的に考えることが重要です。
特に就労選択支援のような新制度では、職員一人ひとりの経験や価値観が事業の強みになります。
理念と制度理解を両立させたチームづくりを意識していきましょう。