
はじめに
障害福祉サービスの開設には多くの準備と資金が必要です。
全額自己資金ではなく、融資を検討される方ているも多くおられます。
その中で、日本政策金融公庫(以下「日本公庫」という)の新規創業融資は、重要な資金調達手段の一つとなっています。
本記事では、日本公庫からの融資を受ける際の重要なポイントや準備のプロセス、そして融資実現のためのポイントについて詳しくご説明します。
1. 新規創業融資の基本
日本公庫の新規創業融資は、これから事業を立ち上げる方や創業間もない事業者を支援するための制度です。
この制度の特徴として、一定の条件下で無担保・無保証での借入が可能な点が挙げられます。
特に障害福祉サービスの開設においては、施設の改装費用や車両購入などの設備投資、人材採用や運営資金といった運転資金として活用できます。
融資の主な特徴として、創業時に必要な自己資金が比較的少額でも申請が可能である点が挙げられます。
ただし、事業の実現可能性を示す詳細な創業計画書の提出が必須となります。
また、無担保・無保証での融資の適用については、事業者の信用力、自己資金比率、事業計画の確実性などを総合的に判断して決定されます。
2. 融資申請前の準備
事業計画書の策定にあたり、以下の準備が必要になります。
資金計画の策定
まずは事業開始に必要な資金を項目別に明確化することが重要です。
施設の改装費用、必要な設備・備品の購入費、人材採用・研修費用、開業後の運転資金など、できるだけ具体的な金額を算出します。
改装費用や設備の購入等、見積書の取得をお勧めします。
障害福祉サービスでは実際にサービスを提供した後、介護給付費等の入金までのタイムラグがあります。
入金までの時間を考慮した資金計画が必要です。
自己資金の確保
日本政策金融公庫では、融資額に対する自己資金の割合を重視します。
一般的には融資額の10〜30%程度の自己資金があることが望ましいとされています。
自己資金を計画的に積み立てる過程や、その使途計画も融資審査において重要な判断材料となります。
収益モデルの構築
障害福祉サービスの収益構造を具体的に示すことが重要です。
特に以下の点について、詳細な計画を立てましょう:
- 利用者数の段階的な増加計画
- 介護給付費等の収入見込み(サービス種別ごとの単価計算)
- 人件費やその他経費の詳細な見積もり
- 収支バランスが取れるまでの期間の資金繰り計画
見込みは支出についてはある程度正確に予想できますが、利用者数についてはあくまでも予想人数になります。
利用者数については数カ月で定員を満たす事業計画で問題ありません。
3. 融資相談の進め方
創業計画書の作成
いよいよ融資の肝となる創業計画書の作成です。創業計画書は融資審査の核となる書類です。
以下の要素を明確に記載することで、事業の実現可能性を効果的に示すことができます:
- サービス提供地域の市場分析と需要予測
特別支援学校や地元役所の福祉課などに現在の状況など確認してみます。 - 具体的な事業内容と運営方針
事業内容は解説する事業の内容を記載します。運営方針では自分の事業に対する思いをカタチにします。 - 競合他社との差別化戦略
差別化できる点は何か?しっかりと考えて記載しましょう。 - 収支計画(月次の詳細な計画と5年間の長期展望)
現実にできそうもない収支計画はNGですが、到達可能な範囲で楽観的な金額の計画を立てます。 - 人員体制と採用計画
経費を抑えるため、人員体制は最低限からスタートすることになると思います。
知人の紹介など縁故採用はスタッフの様子を前もって知ることができます。
面談への準備
日本公庫の担当者との面談では、事業に対する深い理解と熱意が問われます。以下の点について、具体的な説明ができるよう準備しておくことが重要です:
- 障害福祉サービスを始める背景と動機
- 地域における需要の根拠
- 資金計画の詳細な内訳
- 事業の将来展望
4. 融資実現のための重要ポイント
現実的な資金計画
必要資金を過不足なく算出し、適切な借入額を設定することが重要です。借入過多はリスクとなり、過少な場合は事業運営に支障をきたす可能性があります。事業規模に見合った適切な資金計画を立てましょう。
準備状況の具体的な提示
融資の実現可能性を高めるために、以下のような具体的な準備状況を示すことが効果的です:
- 物件契約や内装工事の進捗状況
- 人材採用の進行状況
- 必要な許認可の取得状況
- 地域でのニーズ調査結果
5. 融資後のマネジメント
融資実行後は、計画に基づいた着実な事業運営が求められます。以下の点に特に注意を払いましょう:
- 借入金の使途管理と記録
- 定期的な収支計画の見直しと必要に応じた修正
- 返済原資の確保と計画的な返済
まとめ
日本公庫の新規創業融資は、障害福祉サービスの開設における重要な資金調達手段です。融資実現のためには、入念な事業計画の策定と準備が不可欠です。この記事で解説した各ポイントを参考に、充実した準備を進めていただければと思います。
次のステップとして、以下の行動をお勧めします:
- 日本公庫の創業支援窓口への事前相談
- 創業計画書の作成着手
- 必要資金の詳細な洗い出し
- 市場調査の実施
当事務所では、事業計画書作成にあたってのご相談を承っております。
皆様の障害福祉サービス事業の成功を心よりお祈りしております。