デジタル時代の今こそ求められる傾聴力

~オンライン・電話での留意点とは~

近年、私たち社会福祉士の支援現場でも、Zoomや電話などを使った「非対面の相談」が増えています。新型コロナウイルス感染症の影響をきっかけに広がったこの支援スタイルは、今や「当たり前」の一つになりつつあります。

しかし、画面越しや音声だけのやりとりでは、対面とは異なる難しさがあるのも事実です。今回は、デジタル時代に求められる「傾聴力」について、具体的なポイントや課題をわかりやすくお伝えします。


目次

対面と何が違う?非言語情報の「見えにくさ」

人の気持ちは、言葉だけでなく、表情や姿勢、仕草、声のトーンなど、様々な「非言語情報」からも伝わります。しかし、画面越しではそれらが制限され、電話ではなおさら視覚情報がゼロになります。

たとえば:

  • 画面が暗くて表情がよく見えない
  • 相手が無言でも、頷いているのか沈黙なのか分かりにくい
  • 声だけでは感情のニュアンスを正確に読み取れない

こうした「見えにくさ」は、相手の気持ちを理解するうえで大きなハードルになります。


対策①:オンラインでも安心感を伝えるために

画面越しでも「聴いていますよ」という安心感を伝えるためには、いくつかの工夫が必要です。

● 表情・うなずき・アイコンタクト

  • カメラの位置を調整して、相手と「目が合う」ような画角を意識します。
  • 積極的に頷く、表情を豊かにすることで、「伝わっている感」を演出できます。

● 話し方や間(ま)のとり方

  • 少しゆっくりと、はっきり話す
  • 相手の言葉を最後まで待ち、すぐに話をかぶせない
  • 意図的な「間」も、安心と信頼の土台になります

● 環境設定も重要

  • 静かで落ち着ける場所を選ぶ
  • 背景や照明に配慮して、画面越しの印象を和らげる

これらは、オンライン相談の質を大きく左右するポイントです。


対策②:電話相談では「声」がすべて

音声だけのやりとりでは、声のトーンや抑揚、話すスピードが相手の安心感や信頼に直結します。

● 声の「表情」を意識する

  • 明るすぎても押し付けがましく、暗すぎても不安を与えることがあります。
  • 声に「微笑み」を乗せるつもりで話すと、穏やかで温かみのある印象を与えられます。

● 適切な「沈黙」を大切に

  • 相手が言葉を探しているときには、あえて沈黙を受け止めることが重要です。
  • 詰めすぎない会話が、安心して話せる空気を生み出します。

通信環境の影響とその対処法

デジタル相談において意外と見落とされがちなのが、通信環境の問題です。

  • 通信の遅延で相手の言葉がかぶってしまう
  • 音声や映像が途切れることで集中が妨げられる
  • 雑音や通知音が入り、話の腰を折ってしまう

対策としては:

  • 可能な限り安定したWi-Fi環境を使う
  • 通知を切り、周囲の音にも配慮する
  • トラブルがあった場合の「再接続のルール」を事前に共有しておく

こうした準備が、安心して傾聴できる土台になります。


オンライン・電話ならではのメリットもある

一方で、非対面の傾聴にはメリットも少なくありません。

● 地理的制限がない

遠方に住む人や、外出が難しい方でも、気軽に相談できます。

● プライバシーが守られやすい

顔を見せることに抵抗がある人には、電話やビデオオフでの相談も可能です。

● 記録や再確認がしやすい

許可を得れば録音やメモを活用し、支援の振り返りや共有にも役立ちます。

このように、正しく使えばオンラインや電話は「傾聴の可能性を広げるツール」として大いに活用できます。


おわりに 〜「聴く力」は、場所や方法を超える

どんな手段であっても、傾聴の本質は変わりません。

  • 相手の話を尊重し、丁寧に耳を傾けること
  • 言葉にできない思いをくみ取ろうとする姿勢
  • 「安心して話せる関係」をつくること

デジタル時代にあっても、私たち社会福祉士が大切にしているのは、「聴くことで人とつながる」ことです。

対面であれ、オンラインであれ、電話であれ――
どんな方法であっても、心の通う傾聴を目指していきたいと思います。

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