障害福祉サービス開設時に苦労すること

障害福祉サービス開設時に苦労すること

社会福祉士として、開設時の課題についてお話します。

これから障害福祉サービス事業を立ち上げようとしている方にとって、参考になれば幸いです。


1. 法令・基準の理解と遵守

障害福祉サービスは、障害者総合支援法や児童福祉法など関連する法令や地方自治体の基準を遵守する必要があります。


開設時、事業所の設計や運営方針が法令に適合していることを確認するため、多くの書類作成や行政とのやり取りが発生します。

主な課題:

  • 法律や基準が複雑で理解に時間がかかる。
  • 地域ごとの条例や運用の違いに対応する必要がある。(準拠法は同じですが運用については地域ごとに違いがあります)

解決策:

  • 行政窓口に相談:事前に相談会や説明会に参加し、具体的な基準やプロセスを把握する。
  • 専門家の支援を活用:障害福祉サービスに強い行政書士に依頼することで、効率的に進められる。

2. 適切な人材の確保

現場経験のある社会福祉士として、特に感じるのが「人材集め」の難しさです。

障害福祉サービスは、専門性の高い業務であり、利用者との信頼関係が重要です。

さらに、従業員同士の関係が現場環境を大きく左右します。

そのため、要件に適った資格や経験を持つ人を単に集めるだけでなく、熱意や適性のある人材を確保することが求められます。

主な課題:

  1. 人材不足 福祉分野全体で人材不足が叫ばれる中、経験や資格を持つ人材を採用することが難しい。
  2. 待遇の問題 他業界に比べて給与水準が低いと感じられやすく、求職者の選択肢から外れてしまうことがある。
  3. 職場環境への不安 新規事業所の場合、職場の雰囲気や働きやすさが見えにくいという点で応募者に不安を与える。

解決策:

  • 魅力的な求人を出す
    • 業務内容ややりがいを具体的に記載。ただし、実際の業務とかけ離れた記載をすると後々トラブルになるので正確な記載を。
    • 給与・福利厚生については、他社と比較してできる限りの改善を。
  • 研修制度の充実をアピール
    • 未経験者でも安心して働ける環境を整える。求職者目線での記載が効果的。
    • 外部研修のへの参加や資格取得支援を提供。
  • 地域コミュニティを活用
    • 地元の福祉系専門学校や大学と連携し、新卒者を積極的に採用。各学校の進路担当の先生に連絡を取り、コミュニケーションを図るのも有用な方法です。
    • ボランティアやインターンから人材を育成。即戦力が必要とはいえ、継続を考えると「育てる」意識が大切です。
  • 職場環境を見える化
    • SNSやブログで日常の雰囲気を発信。最近の流行はInstagramなので、プライバシーに気をつけつつ、積極的に活用しましょう。
    • 見学会を開催し、働きやすさを直接アピール。利用者の見学会だけでなく、新卒・既卒対象の働きたい人向けの見学会の企画も効果的です。

3. 財務・資金計画の確立

新規事業では初期投資が必要であり、安定した運営を行うためには綿密な財務計画が不可欠です。

特に、開設当初は利用者が少ない可能性が高いため、赤字運営になるリスクがあります。

また、障害福祉サービスでは報酬の支払いが請求後2カ月後になるため、その間の運転資金を確保しておく必要があります。

主な課題:

  • 設備投資や運営資金の確保が難しい。
  • 安定した収益を上げるまでの期間をどう乗り切るか。
  • 報酬支払いまでのタイムラグを埋める運転資金の確保。

解決策:

  • 助成金や補助金を活用:自治体や国の補助金制度を調査し、可能な限り活用する。ハローワーク、労働局、中小企業庁のHPもチェック。
  • 事業計画書を徹底的に作成:収支計画やリスク対策を明確にし、融資を受けやすくする。商工会や商工会議所に相談するのも良い方法。
  • 段階的なサービス展開:最初からフルスケールで始めるのではなく、まずは最小単位で開設し、需要に応じて段階的に拡大する。
  • 短期融資やリースを活用:運転資金を確保するため、日本政策公庫や信用金庫などの融資やリース契約を柔軟に利用。

4. 利用者の確保と信頼関係の構築

サービスの質がいくら高くても、利用者がいなければ事業は成り立ちません。

地域におけるニーズを的確に把握し、信頼されるサービスを提供することが重要です。

主な課題:

  • 競合施設との違いを打ち出すのが難しい。(差別化を図るのが難しい)
  • 開設当初は口コミが少なく、利用者が集まりにくい。

解決策:

  • 地域のニーズ調査:事前に地域の課題や未充足のニーズを調査し、それに応じたサービスを提供。
  • 地域ネットワークを構築:自治体や他の福祉事業所と連携し、紹介を受けやすい体制を整える。
  • 利用者目線のサービス提供:柔軟で個別対応を重視し、利用者やその家族からの信頼を獲得する。

まとめ

障害福祉サービスの開設には、多くの苦労がありますが、その中でも「人材集め」は最も重要で、同時に難しい課題の一つです。魅力的な職場環境を整えるとともに、地域との連携や支援制度を活用して、良質なサービス提供を目指していきましょう。

「困ったことがあれば相談できる」そんな場が地域に増えることを願いながら、ぜひ一歩を踏み出してください。

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